総番長日記

大日本番長連合電脳通信

カレンダー 

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
 

最新記事 

 

カテゴリ 

 

リンク 

 

メールフォーム 

名前:
メール:
件名:
本文:

 

その時歴史が動いた 

もしも・決断の瞬間編
 

その時歴史が動いた 

源平争乱・元寇編
 

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
--/--/-- --:--|スポンサー広告

「デビルマン」小論(3)。 

4月20日

永井豪先生が、『デビルマン』を執筆しながら見た(幻視した)ものとは、一体何だったのだろうか…?

インタビューなどで語られているが、豪先生の漫画の描き方は、連載を最後まできっちりとストーリーを練り上げてから描くということはあまりせず、最初にキャラクターを作ったら、後はどう動くか?は、そのキャラクターに聞きながらストーリーを進めていくという。

まっ白い原稿用紙を前に、その中に埋もれている未知のストーリーを、キャラクターと対話しながら直感ですくい取り、ペンで掘り起こしていくような描き方…。

そういう優れた直感によって描かれた作品は、時として漫画であることを飛び越えて真実を描いてしまうことがある。

未来に起こる本当の出来事を…。

例えば、豪先生の短編ホラー『ススムちゃん大ショック』は、昨日まで優しかったパパやママ…周りの大人たちが、突然何の理由もなく子供たちを虐殺し始めるという不条理劇なのだが…子供と親がある日突然コミュニケーションがとれなくなる“突然の断絶”、そして起こる“動機なき殺人”…何十年も前に描かれた漫画と同じような事件が、現在当たり前のように現実に起きてしまっている。

私はこの現象を、個人的に永井豪(先生)“黙示モード”と呼んでいる。

“黙示”とは、(キリスト教における)“啓示”のこと。

新約聖書の最終章に収録されている“ヨハネの黙示録”には…聖者ヨハネが天使の啓示を受けて書きとめた、人類の最終戦争と神の国の到来が描かれている。

豪先生が、天使に啓示を受けて『デビルマン』を描いたのかどうかはわからないが…『デビルマン』には、明らかに普通の人間が常識的な頭脳で考え出したのではない…“向こう側の世界”を覗いてきた(あるいは覗かされた)人が描いた…とでもいうような、得体の知れない凄みが漲っている。

いや…豪先生は恐らく『デビルマン』を描いていた当時、一瞬、本当に“向こう側”を見てしまったのだろう。“(向こう側との)チャンネルが開いてしまった”のだ。

でなければ、あんな作品は描けない。
というか、見たのでなければ“ああいう展開にはならない”。

どんな敵をデビルマンがどんな方法で倒してゆくか?
純粋にアイデアで勝負する妖怪退治ものにすることも豪先生ならば充分にできたハズなのだ。
(実際、テレビアニメ版の方はそうなってるし…。)

多分、豪先生の直感が『デビルマン』をただのヒーローものにすることを許さなかったのだろう。

阿久悠先生作詞の主題歌の名フレーズ“悪魔の力身につけた正義のヒーロー”なのにもかかわらず、漫画のデビルマンは、実はほとんどメインの敵をちゃんと倒せていない。

ゲルマーやアグウェルなどの手下系や、名もないデーモン族の人たちは別として…シレーヌ戦では最終的に完敗、ジンメンは倒したものの人質にされたサッちゃんの命を助けることができず苦い勝利に終わり、魔将軍ザンは取り逃がし、サイコジェニーの精神攻撃には手も足も出ずこれまた完敗、悪魔討伐隊から牧村一家を守れず、最後はサタンの手にかかって下半身分断…である。

ほぼ負けっぱなし。
超能力を持っていながら、こんな無力な主人公も珍しい。

しかし、この“無力感”こそがこの作品の肝なのである。

そして、これこそが、『デビルマン』が永井豪(先生)版“黙示録”と呼ばれる由縁なのだ。


(続く)  
2009/04/23 03:42|独り言TB:0CM:0
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://soubancho.blog36.fc2.com/tb.php/130-c49c0325

自画像 

加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

コミック版『はやぶさ 遙かなる帰還』 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

夏目漱石の「三四郎」 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

まんが音楽家ストーリー3 

ベートーベン
 

まんが音楽家ストーリー8 

バイエル
 

Powered by FC2ブログ. Copyright(C) 2007 大日本番長連合電脳通信 All Rights Reserved.
template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。