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八王子で大河原邦男展。 

8月20日

書き忘れていましたが、6日に八王子夢美術館で開催中の「大河原邦男のメカデザイン展」見てきました。

20090820133742

大河原邦男(おおがわら くにお)先生といえば、1972年の「科学忍者隊ガッチャマン」でメカデザイナーとしてデビューされてから実に37年(!)…アニメ界を影で支え続けてこられた業界の重鎮。
あのガンダムやヤッターワンの生みの親。
主役のヒーローロボから一発のミサイル、一本のフォークにいたるまで、およそありとあらゆる“メカ”と呼ばれるモノを(そうでないモノも)アニメの世界でデザインしてこられた巨匠。

先生が手がけてこられた仕事の数々は、あまりにも膨大かつ幅が広過ぎて、とても一回の展覧会だけで、そのすべてを紹介するのは不可能…なので今回の展覧会も「ガンダム」や「ヤッターマン」など代表的作品を中心に、“全貌をおおまかに俯瞰する”構成となっておりました。

展示作品は先生がソフトのジャケット用などパブリシティのために描き下ろされたカラーイラストや、アニメの製作現場で使用されたデザイン画(キャラクター表)がメインでしたが、その中に混じって(モデラーでもある先生が)プレゼンテーション用に自作されたという(アニメ「逆転!イッパツマン」に登場する主役変形ロボット“逆転王”の)伝説の木製モデル(モックアップともいう)がさりげなく展示されていたのが、個人的にとても興味深かったです。

このモックアップのことは、タツノコプロダクション製作のアニメ「タイムボカン」シリーズの監督、笹川ひろし氏の著書「ブタもおだてりゃ木に登る」の中に詳しく書かれています。

「イッパツマン」の前作「ヤットデタマン」の中に登場した“大巨神”という巨大ロボットが好評で、オモチャの売れ行きもよかったので“またああいうメカを出してくれ”という要望がスポンサーの玩具メーカーサイドから出されたそうです。
しかし“大巨神”はガンダムのようなリアルな等身のロボットだったため、ギャグアニメである「イッパツマン」にはいささかハード過ぎる…そこで最初はギャグアニメらしく楽しい感じのロボットだったモノが、戦闘時にはリアル等身のロボットへ一発変形するというのは可能か?…という、アイデアとしては面白いのですが実現するには非常に難しい課題が大河原先生に突きつけられたのでした。

そこで大河原先生がデザインされたのが、妊婦のようなお腹の膨らんだ体型のかわいい恐竜型メカ“トッキュウザウルス”から変形する“逆転王”。
逆転王の時、妊婦のようだった恐竜のお腹は2つに割れて背中にまわり逆転王のロケットブースターになります。

20090820133744
(写真の商品は現在の物で、放送当時に発売されていた“逆転王”の玩具ではありません。)

その変形は現在見ても非常に秀逸な上、ウソがありません。

この“変形にウソがない”という点は、それをオモチャにするメーカーにとっては非常に重要な問題です。

絵の上ではウソをつくことができても、立体物ではそれができないからです。

例えば「ゲッターロボ」のように粘土のようにグニャ~っと伸びて合体するようなロボットは、そのギミック(仕掛け)を玩具で再現することができませんし、「ダイアポロン」という作品では、アニメの中では三体の人型ロボットがそれぞれ手足を体の中に引っ込めて“ダイアポロン”の頭、胴体と腕、足になり一体に合体するのですが、やはりオモチャではそれをアニメ通りに再現することができず、ダイアポロン一体を完成させるのに、取り外して不要になった手足などのパーツが大量に余ったりしていました。(ちなみにダイアポロンは大河原先生のデザインではありません。)

大河原先生は、自分のデザインにウソがないことを証明するために自作した木製モデルを使ってスタッフやスポンサーの前で変形合体の実演をして見せたと言います。

こういう説得力のあるプレゼンテーションができたのは、先生がもとからアニメ業界の人間ではなく、他業種から参入してこられた…ということと多分無関係ではないでしょう。

先生は、オンワード樫山…服飾デザインの世界からアニメ業界へ移ってこられたといいます。
その服飾デザイナー時代の経験が、大河原メカの原点になっているのは間違いありません。

大河原先生のメカは、ファッショナブルかつシルエットが美しい。
そのメカがどんなマシーンなのか?どんな機能的特徴を備えているのか?が非常に明確でひと目見ればすぐわかるようにデザインされています。

ヒーローのメカは、雄々しく凛々しくカッコ良く…敵のメカは(たとえそれがリアル系のアニメだったとしても)なんとなくワルっぽく…デザインの意図がはっきりしている。
単純かもしれませんが“ブレて”いません。

その明確さが、37年もの長きに渡りいまだに大河原メカが支持され続けている理由なのだと思います。

まぁ…デザインの意図が必ずしもキチンと製作現場や商品(完成された作品)に反映されるわけではないのですが…。

ちょっと脱線しますが…たとえば「蒼き流星SPTレイズナー」という作品では、レイズナーという主人公メカ(ロボット)を、大河原先生は少し頭でっかちの…明らかに“少年のような体型”でデザインしています。

その“少年のような体型”が意図的である証拠に、レイズナーのデザイン画はガンダムのデザイン画のように下から見上げたような雄々しい構図では描かれていません。

20090820133736

目線の高さは頭の部分…つまり、人間が乗り込む巨大ロボットではあるのですが、あまり巨大さを感じさせない…人間と同じくらいに見える“等身大の目線”で描かれています。

20090820133739

アニメ本編で描かれたレイズナーは、頭の大きさがこのデザイン画(5~6等身)よりもずっと小さく(8等身くらいで)描かれていることの方が多かったのですが(それはそれでカッコ良いのですが)…

「レイズナー」は、地球とグラドスという2つの星の星間戦争をたった一人で食い止めようとするケツの青い少年が主人公の物語なので、やはりレイズナーは“少年のような体型”の方が物語に合っていたのではないか、と私は思います。

たった一体のロボットにも、作品の世界観そのものを反映させてデザインする、大河原先生は…プロですね。

デザインの仕事とはどういうことか?プロフェッショナルの仕事とはどういうものか?そういうことを考えさせられる展覧会でした。

皆さんも(都心からはちょっと遠いけど)是非足をお運び下さい。

プロの仕事が見られますよ。  
2009/08/20 13:37|見聞録TB:0CM:0
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加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

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