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ウルトラマンゼロのデザイン。 


管理人から、ネットで発表されているというウルトラマン新作映画に登場する新ヒーロー(新ウルトラマン)の画像が届きました。

私がコラムを連載している雑誌『月刊ハイパーホビー』今月号のグラビアに掲載されている、アーマーを装着した謎の戦士…その正体がこのヒト、ウルトラマンゼロという方らしいです。
聞いたところでは、セブンの血縁者だとか?

20090916081344

これまた聞いたところによると、ネット上ではなんだかいろいろといわれているそうで…だけど私の印象はそんなに悪くはありませんでした。

かつて特撮専門雑誌に漫画を連載していた身として、円谷プロに気を使っている?とか、そういうこと抜きにして…「まぁこういう方向もアリかな…いや、こういう方法しかないんだよなぁ」というのが正直な感想です。

なぜそう思うかというと、私が凡人だからです。
例えば、私が新しいウルトラマンのデザインを作れと言われたとしても、私には初代マンを超えるようなデザインなど到底できませんし、私の中にあるウルトラマンのイメージもありますから、多分初代マンやセブンにどこか引っ張られたような…そんなデザインになってしまうでしょう。
誰もが「これぞウルトラマン」と思い、それでいてまったく新しいウルトラマンのイメージを提示することができるかどうか?
私にはまったく自信がありません。

『ウルトラマン』というオリジナリティ溢れる素晴らしいフォーマットやデザインを作られた“神様”たちは、もうほとんど皆さんアチラの世界に帰られてしまいました。

私達は地上に取り残された民です。
キツい言い方かもしれませんが、自分たちで新しいヒーロー、新しいオモチャを作り出せない限り…神様が残していった遺産、オモチャをいじくりまわして遊ぶことしかできない。

それはそれでまた、甘美な魅力に満ちていることも確かなのですが…。

とはいえ“新しいヒーローをデザインする”という作業は本当に至難の技で、これがまたウルトラマンを超えるウルトラマンをデザインするということになると、これはもう不可能という他はありません。

特にあの…ウルトラマンの原デザイナー、彫刻家成田亨(なりた とおる)先生によって生み出された初代マンのあの顔のデザイン処理は…。
あれ以上気のきいたデザインを作ることなんて…はっきり言って並みの人間では無理だと思います。

…ややつり上がり気味の卵形の目、完全な一本線と化した鼻、そしてウルトラマンの顔の中では唯一複雑ともいえる…絶妙の面取りで構成された口…これ以上削ぎ落としたらキャラクターではなくなってしまうという寸前まで単純化されていますが、絶妙なバランスで顔の要素が残され彫刻家ならではの独特のセンスでアレンジされています…アノ顔。

そのデザインのオリジナリティは凄まじく、例えばウルトラマンとは関係のないニューヒーローをデザインしようとしても卵形の目や鼻を一本線にしてしまう(鼻をなくしてしまう)となんとなくウルトラマンっぽくなってしまいますし、逆に新しいウルトラマンをデザインしようとするとウルトラマンの顔の中にあったなんらかの要素を入れないとウルトラマンに見えなくなります。

つまり、新しいウルトラマンをデザインする方法は2つに一つ…あの初代マンのデザインを加工するか?ウルトラマンであることをやめてしまうか?のどちらかしかないということです。

新しいウルトラマンをデザインするということは、それをデザインした成田先生にとっても容易(たやす)いことではなかったようで、二代目ウルトラマンであるセブンのデザインは“ウルトラマンに兜、甲冑をかぶせる”方向で加工するしかなかったと先生御自身が著書の中で述懐されています。

『仮面ライダー』シリーズの場合、丸い目や額にポッチなどライダーのデザインに共通項はありますが、原作者の石森先生が一号にあまりとらわれることなく様々な形を提示しておいてくれたおかげでデザインの許容範囲に幅ができました。
ウルトラシリーズと比べるとライダーの方が新デザインをする上でずっと自由度が高く、隙間があるといえるでしょう。

しかし、ウルトラマンは初代があまりにも出来過ぎで…デザインの完成度が高くインパクトがありすぎたために、後に続くウルトラマン達のデザインは初代の呪縛にずっととらわれ続けることになってしまいました。

でも、それは仕方がないことなのです。
デザイン上、誰もが知っているウルトラマンらしいウルトラマンにするためには…。

となるとあとは、新しいウルトラマンのデザインはあの初代マンのデザインにどういう加工を施してゆくか?という方向性と匙加減(さじかげん)の問題にならざるを得ません。

今回のゼロは、ウルトラマンのデザインの加工という意味では、方向性としては間違っていないように私には見えます。

素材を神話などの過去に求め…ギリシャ神話に登場する動物神、牧神の角のようにも見えるゼロの頭部の二本のアイスラッガーは、タロウ以来“角のあるウルトラマン”の別の方向性として大変冒険的なデザインをしているといえるでしょう。

ただ、どうせやるならもっともっと…それこそウルトラファンの反感を買うくらい冒険してもよかったかもしれません。

いまさら言っても仕方ないことなのですが、成田亨先生は晩年「怪獣とは何か?ヒトはなぜ怪獣に惹かれるのか?」を研究し、神話や伝説の中に登場するキメラ(怪物)を数多く描いていらっしゃいました。
生前、成田先生はウルトラマンに角をつけたりお乳をつけたりすることには猛反対してらっしゃいましたが、もし成田先生が“角のあるウルトラマン”をデザインしていたら?一体どんな形になっていたでしょう?

恐らく「こ…コレがウルトラマン?」と絶句するような、誰もが知っているウルトラマンのイメージとはまったくかけ離れた別モノのデザインが仕上がってきたのではないでしょうか?

それは成田先生が“アーティスト”だったからです。
「既存の価値観を破壊し再構築して、新しい観点を提示する」のが“アート”ですから。

ただし、新しいイメージというのは理解されるまでに時間がかかり、なかなかすぐに受け入れてはもらえないものです。
ファンもイメージを崩されるのを嫌いますから、商業的にも成功するのが難しくなります。

だから出資者(スポンサー)が製作者に、新しいウルトラマンを作るにしても“ウルトラマン”を名乗る以上はそのイメージを守って欲しいと思うのは当然のことです。
同時にそれこそが、ウルトラマンというシリーズ作品が抱えている最大のジレンマでもあるのですが。

少し話はそれますが、我が恩師実相寺監督も“アーティスト”で“世界の破壊者”でしたから、初代マンの中でもイメージを覆すようなエピソードをバンバン作っていました。
それが初代マンの世界観を広げることになったのは今でこそ明白ですが、製作当時は上のヒトから相当たたかれたというのは有名な話です。

アーティストはイメージが固定されることを嫌います。
それは次に新しいイメージを提示していくことへの妨げになりかねないからです。

それゆえに成田先生は、単純に角をつけたりお乳をつけたりして“部分修正”されたウルトラマンのデザインを許せなかったのでしょう。

いくらウルトラマンが成功したキャラクターだとはいえ、それでは新しいウルトラマンのイメージを提示したことにはならない。
そんなことを繰り返していたら将来的に必ず行き詰まる…ということがわかっていらっしゃったのだと思います。

初代マンのデザインは恐ろしくハードルが高く、それを超えることは不可能なのかもしれません。
後に続く者にできるのは、結果“部分修正”だけなのかもしれない…だとしてもやらなければ。

もし私達がウルトラマン以上のキャラクターを提示できないならば、これからもウルトラマンを作り続けていくならば、それはいつかは立ち向かわなければならない…乗り越えないといけない壁だからです。

私はウルトラマンゼロのデザインを支持します。

これからの時代、たとえ小さな変化だろうと積み重ねていかないことには、先へ進めない…未来が開けないと思うので…。

えっ…何?ゼロってセブンの☆☆☆って設定…なの!?

それはちょっと…。  
2009/09/16 08:13|独り言TB:0CM:0
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自画像 

加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

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