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結成!ジュランジュラン(2)。 

9月23日

「実相寺監督のプロダクトに参加できるなんて本当に光栄です。芸大(東京芸大)でも監督はオペラ演出課…僕とは学科が違ったので接点がありませんでしたからね。怪獣、好きなんですけれど…オペラ業界には怪獣マニアなんていませんから…孤独ですよぉ。」

…と、歌劇『魔笛』の稽古場で私にそう漏らした高野二郎先生。

ああ、そのひとことを漏らしてしまったばっかりに…。

「怪獣好きは世間ではハンディキャップにしかならない」

…とは“怪獣マエストロ”と呼ばれる造形家、品田冬樹(しなだ ふゆき)師匠の名言ですが…

確かに…そういう人は世の中全体からしてみるとごく少数派の特殊な人なのかもしれません…しかし、私の周りはなぜかそんな人ばっかり?…たぶん私も頭がどうかしていたのだと思います。

「高野さん…じゃあ、今度一緒に飲み会に行きませんか?」

…その機会は意外に早く訪れました。
その年(2005年)の秋…五反田イマジカで行われた河崎実(かわさき みのる)監督の映画『コアラ課長』の初号試写…その後駅前の居酒屋で開かれた完成記念打ち上げ飲み会に、私は高野先生をご招待したのです。

しかし、飲み会の顔ぶれを見て、私の心の中はすぐに不安でいっぱいになりました。
その時、飲み会に参加していたメンバーがただでさえ濃ゆい河崎監督関係者の中でも、まるでカップヌードルを食べた時の最後に残った一口のスープのように、特に濃厚なエキスが凝縮されたような人々だったからです。
その中にはもちろん、イベントで再会して以来すっかり飲み仲間となっていた福田裕彦先生もいらっしゃいました。

これはいけない…いくら高野先生が自称怪獣マニアといっても、そこはやはり常識人の範疇…住んでいる世界が違いすぎる。
だいたい怪獣マニアといってもどの程度の“重傷患者”なのか?…その時点で私はまだ高野先生の“重傷度”を計りかねていました。

例えば、バルタン星人くらいなら知っている人でも、グビラやザラガスといわれたら普通はピンときません。
「バルタン星人って2代目とかいるんですよねぇ」と言っただけで世間では立派に怪獣マニア扱いです。
しかしその日のメンバーは、飲みの席で「鳩山由紀夫ってケムラーに似てるよな」位のレベルの話を平気でしているような、ウルトラ世界と現実が一直線で地続きになっているような感覚で日常生活を送っているアブナイ人たちです。

20090924004550

はっきり言って普通の人には何が何やらさっぱりわからない話でしょう。
置き去りにされてしまいます。
そんな“重傷者”たちの群れの中にいきなり高野先生を放り込んでしまって大丈夫なのでしょうか?

「高野さんを飲み会にお呼びしたのは…はやまったかもしれない…。」

後悔先に立たず…高野先生が飲み会にやってきました。

私は…たとえ怪獣のことで話が合わなかったとしても、オペラとロックのジャンルの違いこそあれ“音楽”という共通項があればとりあえず高野先生が“浮く”ことはないだろう…と思い、高野先生を福田先生のテーブル席に案内しました。

私は心配しながらも、他の人たちと話の途中だったこともあり高野先生たちの席を一旦離れなければなりませんでした。すると…

しばらくして居酒屋の騒音の中でもはっきりと聞き取れるほどのひときわ大きな笑い声が高野先生たちの席の方から聞こえてきました。
オペラ歌手といえば、フルオーケストラが演奏している真っただ中で大ホールの最後部座席までマイクなしで声を届かせることのできる声の専門家です。
私は「オペラ歌手が爆笑するとこんなにすごいのか」と、その声の威力にあらためて驚かされました。

「いやぁ、怪獣の話でこんなに反応してくれる人たちが世の中にいるんですね…初めてです。開放されます。」と高野先生に言っていただいて、私もホッと胸を撫でおろしました。

その席で早くも福田先生と高野先生の間で「何か一緒にやりましょうよ…“怪獣で”」という話が動き出し、それが後に作曲家とオペラ歌手による世界で唯一の特ソン(特撮ソング)ユニット“ジュランジュラン”として結実するわけです。

その飲み会の後、河崎実監督の映画『ギララの逆襲』や『電エース』といった作品で、高野先生には色々と協力していただきました。
特に『電エースファイナル』という作品では、主題歌だけでなくご本人の役で出演もしていただいています。
ただし宇宙人に操られ、巨大化してヒーロー(電エース)と戦うオペラ巨人という…ほとんど怪獣扱いの役ですが。

その話の脚本を書いた張本人の私がいうのもナニですが…撮影現場で楽しそうに巨大高野二郎を演じられている高野先生の姿を見て…私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
高野先生が怪獣好きでイイヒトなのをいいことに本当に甘えてしまっているなぁ…と。

「みんながオペラというものに興味を持っていただけるんでしたら、僕はどんな役だってやりますよぅ!!」と、お会いするたびに高野先生はいつもおっしゃいますが…

もしかしたら私は高野先生の中の“押してはいけないスイッチ”を押してしまったんじゃないか…高野先生のオペラ人生の一部をものすごいヘンな方向にシフトさせてしまったんじゃないか…という、ひとりの偉大な歌手の人生の歯車を狂わせてしまった責任の重大さに、私はいまだに時々胸が締めつけられるような思いになります。

(続く)  
2009/09/24 00:45|独り言TB:0CM:0
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加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

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