総番長日記

大日本番長連合電脳通信

カレンダー 

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
 

最新記事 

 

カテゴリ 

 

リンク 

 

メールフォーム 

名前:
メール:
件名:
本文:

 

その時歴史が動いた 

もしも・決断の瞬間編
 

その時歴史が動いた 

源平争乱・元寇編
 

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
--/--/-- --:--|スポンサー広告

非実在青少年条例。 

3月27日

しばらく日記の更新が滞ったりしていますが、ちゃんと生きてます。

忙しいんです、珍しく。

去年からとりかかっている単行本書き下ろしの仕事とか、今年の9月に再々演される実相寺(じっそうじ)監督演出のモーツァルトの歌劇『魔笛』の宣伝用イラストとか。
何だか一辺にやらないといけなくなってしまって。

全部大急ぎでやらないといけないものばかり。
4月に入ったら学校の新学期も始まるし、カリキュラムも考えなきゃならない。
この春休み中になんとか。
なんとかしないと。

でも、ありがたいですよ。仕事があるというのは。

一昨年、一年半くらいかけて準備していた仕事を、担当責任者の編集さんから「加藤さんの漫画は何と言うか…古い」と言われて、全没にされた時、漫画家としての寿命が来たことを実感した私は、そこから一つ一つの仕事を「これで終わり」と思いながら大切にこなすようにしています。

いや、それまでも全身全霊を傾けて仕事してはいたんですが。
何と言うか…若い時とは、その切実さが違うというか。

私がデビューした当時とは漫画界の事情も大きく変わりましたし。

あの当時は、売れても売れなくても「まぁ、こんなものもあっていいんじゃないの?」というような良い意味でのいい加減さというか、余裕とか幅の広さ、寛容さがあったんですが、いまは即、確実に売れてくれるものじゃないと駄目!で。

それだけ漫画界も切羽詰まってきているわけで。
いろいろと実験しているような余裕はない、というのが現状なので。

そんな厳しい状況の中で、(原稿料が安くても)何か描く機会を与えてもらえるっていうのは本当にありがたいことで。
学校の今年の卒業生の就職率も悲惨だったし。
新人でさえそんな状況なんですから、私のような年配者はより頑張らないといけないわけです。

でもそんな、ただでさえ弱り切っている業界に、トドメを刺すようなあの条例案。

あんな内容のものが提案されるようじゃ…もうお先真っ暗、頭真っ白で。
なかなかすぐに…というか今なお、何をしたらいいのか、自分に何ができるのか、具体的に考えることができずにいます。

例えるなら

駄菓子は体に悪いから食うな。
売るなら体にいい駄菓子を作れ。
それで駄菓子屋が潰れようがどうしようが知ったことじゃないが、駄菓子屋は日本独特の下町情緒。

…とか、そういうことでしょうか?

いまを生きることで必死になっているような私一人じゃどうしようもない問題。

いまさら転職なんてできないし、青少年の皆さんに絶対にいい影響だけを与える漫画だけを描けといわれても、それは読者の受け取り方次第なので私には自信ありません。

殺人やレイプを描いた漫画が無くなれば、世の中から殺人やレイプがなくなるんでしょうか?

本当に正義は必ず勝ち、悪は必ずや滅ぶのでしょうか?

私のような「たかが漫画家風情が」そういうことを漫画を通して世の中に問い掛けてはいけないのでしょうか?
おこがましいことでしょうか?

世の中に存在するすべての悲惨の原因の一部は、私の描いた漫画が引き起こしたのでしょうか?

漫画に描かれた作者の思いやメッセージを、きちんと受け取ることができないような読者ばかりではないはずです。

この条例が、作者以上に読者のことを…いや、「漫画なんか読んでいる奴の中には自己責任もとれない現実と漫画の見境もつかない頭の弱い奴らが含まれている」と、漫画読者のことをハナッから小馬鹿にしてかかったような内容だったことに、私は本当にがっかりしました。
怒りが込み上げてきましたし、ものすごい無力感も感じました。

「ああ、どんなに頑張って描いたところで、漫画なんてどうせこんな風にしか思われていないのか」と。

「それなら頑張って描いたって仕方ないや、怒られない程度の作品をテキトーに描いた方が得だ、後でつべこべ言われて修正しなきゃいけないなんてめんどくさいしな」と。

で、漫画界は適度に当たり障りのない作品をお上の監視のもとで生産しながら、ますます尻窄みになっていく…のかしら?

いやそれでも、もちろん頑張って私は描きますが。
不器用だから頑張って描くことしかできない。
同人誌だから手を抜くとか、原稿料が安いからそれ合わせて原稿のクオリティーを下げるなんて器用なこと、私にはできないんです。

でも多分、この条例案でやる気をなくした漫画家さんもいっぱいいらっしゃるでしょうし、漫画界の活力が一部削がれたことは確かだと思います。

こんな条例を、よく吟味もしないで本気で通過させるつもりなら、東京都も来年から国際アニメフェアなんてやらない方がいいんじゃないかな。  
2010/03/27 21:05|独り言TB:0CM:0
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://soubancho.blog36.fc2.com/tb.php/257-3d469a06

自画像 

加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

コミック版『はやぶさ 遙かなる帰還』 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

夏目漱石の「三四郎」 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

まんが音楽家ストーリー3 

ベートーベン
 

まんが音楽家ストーリー8 

バイエル
 

Powered by FC2ブログ. Copyright(C) 2007 大日本番長連合電脳通信 All Rights Reserved.
template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。