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『別冊映画秘宝 実相寺昭雄研究読本』その1。 

5月18日

もう一冊は『別冊映画秘宝 実相寺昭雄研究読本』という本で、発売されたばかりです。



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私はオペラ『魔笛』の衣装デザイナーということで、実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)監督との出会いと『魔笛』の衣装を担当することになった経緯について書かせていただきました。

私と実相寺監督を引き合わせてくれた大恩人である河崎実(かわさき・みのる)監督を差し置いて私がカラーページ、というのがなんとも気がひけます。

河崎監督、ごめんなさい。

堀内正美(ほりうち・まさみ)さんほか数名の方が、実相寺監督の臨終に立ち会われた時のことを書かれています。

私もその場にいたひとりなので非常に記憶が生々しく、読んでいて胸がつまりました。

で、ひとつ訂正があるんですが。

中野貴雄(なかの・たかお)監督のコラムの中で

私が実相寺監督に「またワンフェスにエロいフィギュアを買いに行きましょうよ」と話しかけていた…という描写がありましたが、これは中野監督の記憶違いで

本当はですね………

**********************************************

研究読本のほうにも書きましたが、私と実相寺監督の出会いは1989年の夏過ぎ、『 The ゴジラ comic 』(宝島社刊)で実相寺監督原作のゴジラ漫画の作画担当者を探していた時、河崎実監督が私を推薦してくれたのがきっかけでした。

その漫画…『小さなゴジラ』が完成して、いかがだったでしょうか?の感想を実相寺監督から直接伺ったことはないのですが

『小さなゴジラ』のラストで…自然界の権化であるゴジラに蹂躙されて東京が終戦直後の状態に逆戻りしてしまう…という場面がありまして

その終戦直後の東京の絵を「とにかく汚く描いてください」という実相寺監督からのオーダーが原作シナリオの中にあったんですね。

私が描いたそのシーンの絵について「戦災孤児の汚い感じが出ていて、そこはよく描けていた」と実相寺監督がおっしゃっていた…らしい、というのを後日人づてに…たしか大木淳吉(おおき・じゅんきち)監督からお聞きしました。

実相寺監督が私の絵を気に入ってくれたのか?あるいは「そのくらいしか褒めるとこがなかった」からそう言ったのか?いまとなっては確かめようもないのですが…

なぜか私はゴジラ漫画のすぐ後に、監督の著書『ウルトラマンのできるまで』(筑摩書房刊)の続刊『ウルトラマンに夢見た男たち』の挿絵画家に大抜擢されました。

ウルトラマンに夢見た男たち(ちくまプリマーブックス)



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作画期間は1989年の年末から1990年の2月くらいまで…だったと思います。

もともと特撮好きだった私は、ゴジラに続いてウルトラマンを仕事で描ける喜びで、もう有頂天になっていました。

でも、実相寺監督は私が描いたその挿絵を多分気に入っていらっしゃらなかった…と思います。

私が挿絵を描いた『ウルトラマンに夢見た男たち』に続く、ちくまプリマーブックス3冊めのウルトラメイキング本『ウルトラマンの東京』では、挿絵を御自身で描いていらっしゃいました。

ウルトラマンの東京(ちくまプリマーブックス)



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実を言うと(少し時間が経ってからですが)私自身も『ウルトラマンに夢見た男たち』の挿絵は「失敗した」という思いがありました。

その挿絵を描いていた当時、私はテレビ画面に写った怪獣たちをできるかぎりソックリに描くことに全精力を注ぎ込んでいました。

この本の挿絵に求められている「意味」についてはあまり考えずに描いてしまったのです。

この本は特撮のメイキング本です。

テレビの怪獣をソックリそのまま描けばいいのなら、べつにわざわざ絵にしなくても怪獣のスチール写真をそのまま掲載すればいい。

私が本当に描かなければならなかったのは「その外側」…

怪獣が暴れている「ステージの外」…

怪獣にライトを当てている、そのライトの後ろにいて熱気に耐えている照明さんとか

石油コンビナートを火の海にしているペスター…を、髪の毛に火が引火してもなお撮影し続けているカメラマンたちとか

そういう現場スタッフの姿、その手作りの面白さだったのです。

そういう当時の撮影現場のメイキング写真も残ってはいます。

しかし、ステージの下は撮影するわけではないので照明が当たっていないために非常に暗く、写真では見えにくい。
写っていても真っ黒でわかりづらい。

だからこそ絵にする意味があるんですね。

絵にするのが一番わかりやすい…というのはいまだからわかるんですが、当時の私にはわかりませんでした。

ホントに認めたくないものですよね、若さゆえの過ちって…。

そんなわけで私はそれからずっと、この本の挿絵の「リベンジ」の機会を狙っていました。

特撮エース(角川書店刊)で連載していた『特撮超職人列伝』という漫画も、言ってみればこの時の、若い時分の恥を濯ぐ一種の「リベンジ」でした。

その後幸運にも、私はこの『ウルトラマンに夢見た男たち』の挿絵を全面的に描き直す「リベンジ」の機会に恵まれました。

2005年の年末…

実相寺監督が亡くなる一年前のことでした。

(つづく)  
2014/05/18 23:14|独り言

自画像 

加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

コミック版『はやぶさ 遙かなる帰還』 

 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

夏目漱石の「三四郎」 

 

ホーム社(発売元/集英社)より絶賛発売中

まんが音楽家ストーリー3 

ベートーベン
 

まんが音楽家ストーリー8 

バイエル
 

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