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『別冊映画秘宝 実相寺昭雄研究読本』その2。 

5月19日

私が『ちくまプリマーブックス ウルトラマンに夢見た男たち』(筑摩書房刊)の挿絵に取り組んでいた時

ウルトラマンに夢見た男たち(ちくまプリマーブックス)



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実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)監督の事務所「コダイ」と、実相寺組の撮影現場を何回か取材させていただいたのですが

その時のコダイには、何かピリピリした緊張感が張り詰めていました。

その時期…実相寺組は映画『星の伝説 ウルトラQ ザ・ムービー』の製作の真っ最中でした。

あの冬は関東地方に大雪が降ったり、ロケの多い実相寺組は天候不順に悩まされていました。

私がロケ現場を見学させてもらった日も朝から小雪が舞いはじめ…それが昼過ぎにはだんだん勢いを増し、とうとうその日の撮影は中止になってしまった…そんな日でした。

指定された喫茶店で待っていると、実相寺監督、カメラマンの中堀正夫(なかぼり・まさお)さん、照明の牛場賢二(うしば・けんじ)さん…実相寺組の主要スタッフが次々とやって来ました。

私が実相寺監督と直接お会いするのは、その日が初めてでした。『小さなゴジラ』の時は文書のやり取りと、電話で少しお話させていただいただけだったので。

私は緊張しました。
憧れの人が目の前にいる…それ以上に、その日の実相寺監督がたいへん不機嫌そうだったからです。

「本の挿絵を描かせていただいている加藤です…」と私が言うと

「あ、そう…特撮のことでわからないことがあったら大木(おおき)さんに聞いて、挿絵のチェックは池谷(いけや)さんに見てもらってください。それじゃそういうことで…」

たしか、監督からはそんな感じで言われたように思います。

撮影が遅延、まして中止なんてことになれば、その日準備していたスタッフ、キャスト、用意していた機材も一度全部ばらして撮影スケジュールを組み直さなければならないわけで…

監督の頭の中は撮影のことでいっぱいで、御自身の著書とはいえ「挿絵どころではない」…というのが正直なところだったのではないでしょうか。

しかし、そんな現場の切迫した事情を慮(おもんばか)るような脳みそは四半期前の私には無く

挿絵についても「『ゴジラ…』の時も監督は何もおっしゃらなかったし…よくわからんが、とにかく一生懸命描けばオーケー?ってことなのかな…」と

その程度の考えしか頭にありませんでした。ああ、恥ずかしい。

そんなわけで(一生懸命描いたんだけど)ちょっと不本意な出来になってしまったその挿絵を…全面的に描き改める機会が巡ってきたのは2005年のことでした。

監督の著書、ちくまプリマーブックスのウルトラマンメイキング本の3冊め『ウルトラマンの東京』が2003年に文庫化され…

ウルトラマンの東京(ちくま文庫)



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…その売れ行きが好調だったことから、プリマーブックス版の前2冊『ウルトラマンのできるまで』と『ウルトラマンに夢見た男たち』も合本で文庫になることが決まったのです。

ただ、挿絵を新しく描き直したいというのは私の一存でしかありませんでした。

出版社からしてみればただ縮刷版を作ればいいだけのものを、挿絵を差し替えるなんて余計な手間と出費がかかるだけで「面倒」以外のなにものでもありません。

そこを、担当編集のA木さんは描き直す理由をちゃんと理解して下さって、新しい挿絵を描くことを承諾してくださいました。

A木さん、すみません。本当にありがとうございました。

こうして、15年の紆余曲折を経て完成した本が『ウルトラマン誕生』(ちくま文庫/筑摩書房刊)だったのです。

ウルトラマン誕生(ちくま文庫)



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ただ、この本をやる時はやっぱり「なにかある」みたいで…

先にも書いたとおり、1990年の時は映画の撮影中で時間がなく

2005年の時は、また別の理由で実相寺監督には時間がありませんでした。

『ウルトラマン誕生』の挿絵作業中、完成した原画や作業途中のイラストを監督にお見せすると

「加藤、挿絵に関してはお前を信頼しているから任せるが、とにかく早くしてくれよ。早くしねぇと俺はイッちゃうぞ!」

といつも言われました。

いつも…というか、最晩年はそれしか言われてなかったような気がします…。

私も、自分自身力量が足りないなりに、監督のために何か恩返しできることがあるなら今のうちにしてあげたい。

じゃあ一体何ができるんだろう、と…その頃はそればかり考えていました。

いま思えば、本当に鬼気迫るような一年間でした。

(つづく)  
2014/05/19 23:49|お仕事

自画像 

加藤 礼次朗

Author:加藤 礼次朗
1966年3月8日生まれ。
職業:漫画家。

1986年描き下ろし単行本
『まんが音楽家ストーリー ベートーベン』でデビュー。

映像界では、イラストや友情エキストラ(出演)、2007年にはオペラ「魔笛」の衣装デザインを手がけるなど漫画界以外でも幅広い活動をしている。

 

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